当たる・当たらん・当たれ-喝采と苦悩の実証

コンサルティングファームに勤める男が世の中で喝采されている事象、モノや日々の苦悩を深掘りして考えたことを棚卸しします。

もっと遠くまで

約3年間働いた会社を退職しました。

新卒として入社した会社ですが、更なる自分の目指す道を求めて新しい環境で働く予定です。
 
学生時代にキャバクラで働らいていた経験から”人のコミュニケーション”に携わりたいという想いと、新しい業界を造っていくという気概を踏まえて、今までの会社で働いていました。
 
振り返ってみるとホントに色々ありました。
 
企業では、
 
・デジタル領域の失敗
・業績悪化から起因する退職者続出
・組織変革、PR業への集中によるV字回復
・新しい競争優位性の確立
・様々な新規事業の挑戦
 
個人としては、
 
・あらゆる部署、職種の経験
 (メディア、データ分析、営業、新規事業、プロジェクトマネジメント・・)
・自身の能力不足と上長との確執による窓際への排斥
・不遇の中で勝ち得たMVP
 
激動の時期に入ったことで異端な経験を多く積ませていただきました。
その中で、従来とは異なった思想が育まれたのは決して偶然ではないと感じています。
会社に対しても、素晴らしい経験をさせてもらったと感謝しています。
 
社会人としての経験が高まる中で、ある強い願望と、それに対する現在の環境への一種の限界を感じ取りました。
 
願望は「世の中を変革するような大きなプロジェクトを実現する」ということ。
限界は「会社の器、解決方法の幅の狭さ」ということです。
 
その考えが次の環境を目指すきっかけとなりました。多くの学びがありましたが、大きな3点を最後にまとめました。
 
1)PRの本質は相手を好きになること
PRは企業がメディアを通して、社会にどう向き合っていくかという非常に重要な考え方です。
なので、PRが経営において与えるインパクトは大きいと感じています。広告が効きづらくなってきたことと合わせて非常に注目されているのも理解できます。
 
このPRという手法で最も重要なことはクライアント、メディアを好きになることでないかと思います。
 
クライアントの素晴らしさを伝える
メディアが求めていることを考える
 
それは、相手が好きで好きで、考えぬいているからこそできる技です。それこそがこの仕事の大きな醍醐味じゃないかと思うのです。
 
勿論、しっかりと伝わるわけじゃないし、伝えるために色々な手法を考えなければなりません。
コミュニケーションの本質がそこにあるような気がしました。
 
2)経営視点で仕事を考えることで大義の仕事を成し遂げ、自分を守れる
素晴らしい経営層だったと思います。しかしながら、上に言われるがままの被支配者として仕事をやっていては永遠にリーダーにはなれないと思いました。
常に経営層としての視点を持ち、何が善で正なのかを見極めて仕事に取り組む必要があります。
 
自身の間違いを認めず、誰かを否定するのみ。
他のためと言いつつ、結果的には自のため。
 
人間は弱い。それ故に生じた歪みが誰かを苦しめるのです。その歪みを受けた時、現状にそのまま流されずにいるためには、時には上層部とも戦うしかないのです。
 
間違った支配に屈しない強い志向が重要だと感じました。
 
3)属人的ということの脆さと強さ
大切なのは人材である。特にプロフェッショナルファームであれば尚のことです。ファームは常にそこの問題と向き合わなければなりません。色々なものをフォーマット化して属人的な部分を排除することも重要だと思います。
しかしながら、徹底的に属人化にすることで人材を定着させていくこともできるのではないかと感じました。
 
そのために何が重要かというと「社員を勝者のように扱う」ことだと思います。
プロフェッショナルに対して、きちんとした環境を与え、勝った見返りを与え、意思決定に参加させる。
 
勿論、成果を生み出すことが重要ですが、
そういったことが、会社にいる誇りに繋がっていくのではないかと感じました。
 
以上のような学びがあった一方、ドライに考えると企業の器としての限界、PRというコミュニケーションの限界を感じていました。
 
エージェンシーモデルは自転車操業のように、クライアントを絶えず獲得しなければ商売は成り立ちません。その前提を踏まえ、常に人が辞めていく組織風土と、異動の多さの2点から安定的にスキルを高められないという結論に達しました。
仕方のないことだとは思いますが、不安定を絶えず抱えていると企業本位の事業になってしまうのではないかと思います。
 
また、PRでの解決は限界があるように感じていました。メディアという第三者の存在と、クライアント側のPRに対する対応力など自分達には変えられないことが多いと思います。
 
自身のスキル不足は勿論あります。また、いずれどの問題もクリアになっていく人材力と業界の展望があるのですが、数年掛かると見積もると、そんなに待ってられないという判断になってしまいました。
 
より本質的な問題解決、縦横無尽に働ける環境を求めてコンサルティングファームを次の環境に選びました。
 
会社、人(同僚・クライアント)、働いた時間、全てに感謝をしています。
だからこそ、この経験を糧にさらなる飛躍を遂げたいと思っています。
 
最近漫画「キングダム」を読んでいて、
国統一を目指すこととビジネスの世界は極めて近いと思います。
高校中退からビジネスの世界で駆け上がることを目指す私にとって、下僕から天下の大將軍、不遇の中で育った経験から中華統一を目指す主人公たちに共感を覚えます。
 
最後に、人間の素晴らしい可能性を唄う言葉で締めくくります。
始皇帝になる政が放った言葉です。
 
人間の本質は――――――――「光」だ。
これからも頑張ろう。
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